自作パソコンをやっている人は変わり者・・・
なんとなく世間様の評価が固まってきているような感じですが、どう変わってるの?そしてどんな人たち?何より直に見ていただくのが一番かと。
「自分でPCを作る人ってなんか変わってるね」とさすがに面と向かっていわれたことはありませんが、そう思われているかな、という気はします。
また、2000年あたりがピークだったとおもうのですが、自作PCが、かなりはやった時期がありそれが一段落してだいぶたって自作PC人口が少なくなってしまったままということも一因としてあるのかもしれません。
世間様から見た我々パソコンを自作する人の人物像を考えてみました。
- 人と交わりたがらない。
- 暗い
- ・・・無口
- 自分でパソコンを組み立て、こわれても自分で修理できるんだろうけど・・・
でもその当人はこわれてる。
どうでしょう。今ごらんいただいているあなたの考えとぴったりではありませんか?
パソコンを自作する人の中には上のA,B,C,D,すべてが当てはまる人も確かにいます。
( わたしです・・・。・・・・・・・)
ところが実際には様々な人たちがいるのです。
店の雰囲気、店員さんの対応などを見れば訪れるお客さんの好みや、特徴もわかります。
ですので、直接家電量販店の中にあるPCパーツ売り場を訪れていただけたら、店とパソコンを自作する人たちを同時に確認できます。はっきりとお判りいただけるとおもいます。これが「自作をする人って変わってる」、あるいは「身近にいないんだけど、どんな人たちなの?」といった疑問をもたれている方たちに我々と普段我々が利用しているショップを直接見ていただきたい理由です。
取り扱っている商品、またサービスによって当然お店にやって来るお客さんの種類も違ってきます。
店の雰囲気、店員さんの対応等気に入らなければお客さんは遠慮なく他の店に流れてしまいますから、どこの店でも懸命にお客さんの希望に沿った店作りをするはずです。
PCパーツショップ、売り場といえども例外ではありません。それが証拠には、今から紹介する大手家電量販店の中のPCパーツ売り場と一般向けパソコン売り場はお互いが隣接していながらはっきりと違います。(もちろん、この記事の中での架空の店ですが、自分が今までに数多く、また繰り返し訪れているこの種類の店舗での経験をもとに書いています。誇張などはしていませんし、する必要もないのです。実際、今これをご覧いただいているあなたがこの2つの売り場に赴かれたらまったく同じ光景を目にされるはずです。)そして一般向けパソコン売り場は他の売り場と同じであり、それとは逆にPCパーツ売り場だけが際立って変わっているのです。
BTOやホワイトボックス*1は自作パソコンではありません。
ところで最近は殆どの店舗でPCパーツ売り場に併設されているBTO売り場が目立ちますがここはメーカー製パソコンの売り場と同じと考えています。
また、来ているお客さんも隣接するパーツ売り場のお客さんとは明らかに違い、メーカー製パソコン売り場にこられるお客さんたちです。これまた見ていただければすぐにおわかりいただけます。(BTOは完成品パソコンです。つまりメーカー製パソコンとまったく同種のものですので、完成済みのパソコンケースに値札が貼られて展示されています。おとなりのPCパーツ売り場にも値札の付いたパソコンケースつまりPCケース*2が販売されていますがこちらは中は空っぽです。)
そのためここでいうPCパーツ売り場の範囲はあくまでPCパーツを購入して自分で組み立てるパーツを販売しているところです。
ここからは、自作を始めるための下見にと一般向けパソコン売り場と自作用PCパーツ売り場の両方を持っている店をとある休日、高校生のA君が訪れたという想定でお話させていただきます。
でっかい家電量販店に入ったA君、インフォメーションでPCパーツ売り場はパソコン売り場の奥のコーナーであることを確認しエスカレータでフロアに向かいます。
一般向けパソコン売り場は店員さんの数も多くさらに携帯電話売り場も一緒になっている場合がほとんどですからにぎやかなことこの上ありません。
そのパソコン売り場を通り過ぎるときについうっかり以前の教訓を忘れて、自分の持っているメーカー製のパソコンの最新型を見ておこうとお目当てのパソコンの前に立ったA君、ものの数秒もたたない内にインターネットプロバイダー関係の店員さんに声をかけられました。
「しまった!!」とおもいましたがもちろん手遅れ(あなたが売り場に近づきつつある時点ですでに捕捉されています。十分にご注意を。)、持っているパソコン、加入しているプロバイダー等々質問攻めその上「お願いしてもいない商品説明」となり、とてもではないですが「最新型パソコンを見る・・・」どころではありません。
これが家電量販店のパソコン売り場(テレビ売り場などのところも同じです)での休日のありふれた光景でご経験がある方も多いとおもいます。
ようやく解放されてからいよいよA君はPCパーツコーナーへ向かいました。
「PCパーツ売り場でもいろいろ質問されるだろうしどう答えるかな・・」歩いている間にそのための想定問答を考えていたA君はものの見事な肩透かしを食らいます。
A君は歩を進めます。そして少しずつ近づいて来るPCパーツコーナーを見ていたA君はなにか奇妙な感覚にとらわれ始めます。
不思議な空間、他の売り場と違ってここだけ別世界(・・・大袈裟な・・)
たった今通ってきた一般向けパソコン売り場は店員さんがあふれているのに、このコーナーは広さの割りにほんの少ししかいません。
そこにいるのは2~3人の本店員の人だけで、プロバイダー関係などの店員さんは見かけませんし、お客さんは10人ほどいますが店員さんはお客さんの近くで商品整理などをしていても話しかけたりはしていません。
むしろお客さんの邪魔にならないような動き方をしています。
そして、にぎやかな店内でなぜかこの空間だけが静か~で雰囲気が違っています。
コーナーに入ろうとしているA君とふと目線が合った店員さんの一人が「いらっしゃいませ」と声をかけました。が、それだけです。すぐもとの仕事に戻っています。
A君は気がつきました。「店員さんに付きまとわれたりせず、自由に商品をみていいんだな!すごいな!」
「郷に入れば郷に従え」です。行動開始です。
初めてじかにパーツを見たりPCケースなどにさわったり出来るわけですからA君はわくわくドキドキです。CPU*3コーナー、メモリ*4コーナーなどを廻りながら早速お目当ての製品の品定めです。もちろんSSDやHDD*5なども要チェックです。
ゆっくりと見ていくことができます。
A君がマザーボード*6コーナーに移動したとき、すぐ横の電源*7コーナーにいたお客さんのおじさんが店員さんを呼びました。
話を聞いていると手持ちの電源の容量が不足気味なので新しいのに買い換えるようです。候補にした電源に関して、ケーブルの長さや、ファンの動作音、メーカーのアフターサービスの対応など、いろいろ聞いています。さっきまではお客さんの商品選びの邪魔にならないように静かに仕事をしていた店員さんが、質問にテキパキと答えて、ときには、笑い声もしています。
反対側のグラフィックボード*8のコーナーにいたお客さんももう一人の店員さんに何か相談を始めました。
やがて購入する電源が決まったお客さんが店員さんとレジのところへ行きました。
気がつくとさらに客さんが増えています。
電源を購入したお客さんが帰ると、店員さんはまた元のようにお客さんの邪魔にならないように仕事を始めました。
それを見て、A君は思い切って今回始めて自作をすること、そして購入を考えている商品で疑問におもっていることなどをその店員さんに聞いてみました。
すると、店員さんは、A君の質問に初心者にもわかりやすく答えてくれ、またA君とは相性がよかったのでしょう、自作のポイントなども教えてくれました。A君は満足してお礼を言ってコーナーを後にしました。次来るときはいよいよ買出しですがいい買い物ができそうです。
結構長くこの趣味をやっていますが自分の知っている限り、このA君の体験がPCパーツショップ、売り場の休日のありふれた光景です。
ショップは店が独立しているだけで、店員さんの対応は同じです。
以上のA君の体験をまとめてみますと・・・
PCパーツ売り場・・・この売り場は・・・
少し大袈裟に言うと数ある売り場の中でここだけ別世界です。
- 邪魔されることなくゆっくりと自分のペースでPCパーツの品定め、そして購入ができます。
店員さんは他の売り場のように商品を見にやってきたお客さんに声をかけたり、しつこくつきまとったりすることはありません。声をかけるのは「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」くらいです。そして聞きたいこと、質問があればそのときはお客さんのほうから声をかけるのです。
そんなわけですから店内の商品は自由にみてまわってかまいません。もちろん、売り物ですから取り扱いには注意し、マナーを守りましょう。 - WEBでは入手できない情報が手に入る場合もあります。
なにしろお客さんとメーカー、代理店との間を受け持つ文字通り最前線にいるわけですから当然のことながらPCパーツ売り場の店員さんは豊富な知識を持っています。相性問題、認証問題といった、複雑に要因が絡み合いその場で答えるのが困難なケースは別として大抵の質問には単独で答えてくれます。どこか別の売り場のようについてこられるので、質問したらその質問に答えられず別の店員の人を探している間待たされた挙句、返ってきた答えは「!〇△☆×・・・???」というようなことはありません。
・・・ということになります。
PCパーツ売り場に来るお客さんは、目的がはっきりしている。
さっきのA君の隣で電源を買っていたお客さんのような場合、店員さんに質問するまでの間に考えていたのは、「この電源の容量は?」「・・・ケーブルは長さが足りるか」、「手持ちのケースに入るサイズか?」など頭の中で電源を自分のパソコンに組み込んでシュミレーションしているのです。
過半数以上のお客さんがそういったことをしているはずですから、売り場が静か~なのはむしろごく自然なのです。
お店のほうが、そして店員さんたちがそういったお客さんに合わせてくれているのだろうと考えています。
そして疑問点がはっきりしたとき初めて店員さんに声をかけます。
それに店員さんが的確に答えてくれます。
ここが重要なところです。
これまた自分の経験からですが、このような売り場には、少数精鋭でPCパーツと自作パソコンに精通した人が配属されていることが感じられます。
当然そうなるはずです。PCパーツ売り場では先ほどの電源を買ったおじさんと店員さんとのやりとりのようなことが、パーツごと、あるいはいくつかのパーツにまたがってと頻発します。
これを他の売り場から臨時に応援に来た本店員さん、ましてや派遣で来られているプロバイダー関係の店員さんに「やってね❤」といっったてそりゃ無茶です。
PCパーツ売り場でお客さんにパーツの事を聞かれて「?」となり、パソコンやテレビ売り場などのように「携帯でわかる店員さんを呼び出す」、そんなのんきなことをやっていたらそれこそ(商売)あがったりになってしまいます。(ほぼ確実にお客さんは減ってしまうとおもいます。)
これが自分が頻繁に通っているPCパーツショップそして売り場の光景ですが実際、いろんなタイプのお客さんが来ています。
3~4人で相談しながら見ている学生風の人たち、家族を引き連れてきてパーツを選んで店員さんと相談しているお父さん、彼女を近くにほっといてPCパーツを夢中で選んでいる男の子(×ですよ)、かなりの年配の人でいかにも熟練者という感じで落ち着いてみて廻っている人、もちろん一人できているお客さんも多いですしA君のように真剣な面持ちでパーツを選んでいる中高生のような人もしばしば見かけます。
休日にはこのような人たちがまとめている場合にもよく行き逢います。
この人たちを見ていると仕事も性格も様々、上に挙げたA,B,C,D,がひとつも当てはまらないような人が結構いる気がしますし、自作パソコンをやっているという以外の共通点は見当たらないような感じがする場合が多いのですが・・。
それを今これをごらんいただいているあなたに実際に確認していただけたらなと考えたのです。
ご判断なさるのはもちろんあなたなのです。
この売り場を見に来てくださいといったのは、PCパーツ売り場、ショップにはパソコンを自作する人以外はまず訪れないので「どんな人たち?」が一目瞭然だということなのです。
もし機会があったら是非PCパーツ売り場、ショップを訪れてみてください。
最後までお付き合いくださり本当にありがとうございました。
でも、あんまり売り場の外側などから「じっ」「じっ」「ジーッ」とみつめないでください。われわれも何か動物園のお猿さんや、ペンギンちゃんになったみたいで恥ずかしいですから・・・。
静電気
静電気にメモリを吹っ飛ばされたことがあります。・・・
・・・こっちも静電気の野郎を吹っ飛ばしてやりたい気分です。
自作パソコンの世界はもとより電子機器を扱う上で、この疫病神=貧乏神への対策は必須です。 対策の方法はいくつかありますが基本、「作業前に何か金属に触れればそれで大丈夫」です。
長年これでうまくやっています。
「でも、PCパーツを静電気に吹っ飛ばされたっていまいったじゃない!?」・・・そういわれれば返す言葉もなくお恥ずかしい限りです。
実はこの「作業前に金属に触れる」というシンプルかつコストのかからない手法が持つ唯一の欠点、それが「どきどき忘れる」ということです。自分もこれをやらかしたのです。
要は忘れなければいいのです。「自作パソコンをやるときは常に周りを疫病神(静電気)がうろついている・・・」という意識をしっかりと持ち合わせていれば、こやつなど恐るるには足りません。
それでもまだ不安がおありなら・・・自作パソコンの静電気対策、忘れてやしませんか?自作パソコンに潜む落とし穴
目次
そのほかのページです。よろしければぜひごらんください。
自作パソコンの世界とその住人
☆このように思われている方が多くいらっしゃるのは事実ですし、そう思われるのも仕方がない部分もあるとは思うのですが・・・
☆自作は本当に割に合わないのでしょうか?以前と違って今は自作パソコンにしかない長所などはないのでしょうか?
自作パソコンは損なの?メーカー製やBTOが安くてお得!本当に?
自作パソコン「あれ?」「なんで??」
☆静電気、こ奴の、そう、こ奴のせいで大事のメモリをオシャカにしました!
自作パソコンの静電気対策、忘れてやしませんか?自作パソコンに潜む落とし穴
☆かたすぎてメモリがマザーボードに挿し込めない!斜めに挿さったままではずれないよ。どうしたらいいの?
☆バックパネルをPCケースに取り付けてもすぐに外れる、はまらない。そしてもし失くしちゃったらどうなるの?
バックパネルがうまくはまらない!紛失した!「なんで?」「どうしよう」
☆ただ置くだけのはずだぞ!すんなりはまらない、黒いカバーがキャパッと外れてくれない。
☆完成して起動させたらすぐにとまっちゃった?!よく見たらCPUとクーラーの間に隙間が!そういえば取り付けたとき確かに小気味良い音はしなかったな。
☆パーツを取り付ける前と取り付けた後で、マザーボードの形状に変化が!これじゃ、はまらないわけだ。
☆厳密に量が決まっているわけじゃないんだな。でもはみ出してソケットに付着したりしたら下手をすると保証外になっちゃうよ!
ペタ!それともペタペタ?CPUにシリコングリスはどのくらい塗る?
☆組み立て直後の最初の起動時にのみ起こりうる可能性がある現象です。
☆最初のページです。ご挨拶をさせていただいています。ぜひご覧ください!
*1:BTOやホワイトボックスと呼ばれるパソコンたちは大手メーカーのパソコンとはやや違っています。PCパーツショップや大手家電量販店などで、(あるいはメーカー等に委託して)組上げたパソコンのことです。不必要なアプリケーションを搭載しない、直販のため流通コストが安く済む、顧客の注文に応じてオリジナルを組む、なによりも安さを武器に大手メーカーを相手に大健闘しています。一般向けパソコン売り場よりも自作パソコン売り場のほうに併設されていることが多いですがあくまでもメーカー製と同様完成品のパソコンです。
*2:自作パソコンではPCケースという空っぽの箱を購入します。付いているのはスイッチとUSB接続部くらいでファン(換気扇です。自作PCでは発熱量が半端ないパーツを使うことが多いので場合によってはファンを追加購入して7~8個搭載する場合もあります。)が付いている場合もありますが見た目、がらんどうです。
このPCケースに購入した様々なPCパーツを組み込んでゆくわけです。
スマホで大抵のことは事足りる時代というよりむしろ会社、学校以外ではスマホだけで人生を過ごしている人がかなりいるこのご時勢に、どでかい嵩張る箱を自作パソコンで使うのはこの熱処理対策とメンテナンス性に大きな理由があります。
*3:CPUはまさにパソコンの中枢部です。演算し、制御し、最近では映像処理までこなし、メーカー製パソコンなどではグラフィックボードを搭載せず、CPUだけがメモリを従えてマザーボードに載っかっている場合がほとんどです。
*4:メモリは一時的にデータを記憶するパーツです。通常CPUが必要とするデータはSSDやHDDなどに記録されていますがそのままでは使えません。このメモリ上に引き出されて展開されます。
CPUにとって仕事机のようなものです。CPU自身もメモリを搭載していますがごくわずかですのでこのマザーボード上に搭載されるメモリが重要になります。このメモリをたくさん積んでいればいるほど、パソコンのスピードは速くなります。
ただ、電力の供給が絶たれるとメモリ上のデータは消滅してしまうので、処理が終わった必要なデータは再びSSDやHDDに記録されます。
*5:メモリと同じでデータを記録するパーツですがこの2種類は電力の供給が絶たれても、データを保存することができます。WindowsやLinuxなどのOS、アプリケーション類はここに保存されます。
*6:メインボードともいいマッキントッシュ(MAC)ではロジックボードと呼ばれています。PCパーツはすべて何らかの形でこのボード(板)に接続されます。すべてを受け入れる、またもっとも過酷な仕事をこなすまさに☆マザー☆ボードです。
*7:自作パソコンではパーツを入れるケースにも電源が付いていません。自分で好きな電源を選んで購入し、ケースに組み込みます。
*8:グラフィックボードまたはビデオカードどちらも同じくらいの割合で呼ばれています。
自作パソコンをする人が使う用途ではほとんどの場合CPUの映像処理能力では使いものになりません。そのためこの専用のパーツを使います。
グラフィックボードはCPUを補助し、映像関係の処理と入出力を担当します。
「どのグラフィックボードを搭載するか」これでその自作PCマシンの出来、不出来が決まってしまうといっても過言ではなく、その存在感はCPUを上回ります。
もし自作パソコンをしている人が身近にいてその人に「CPUは何を使っているの?」と聞いても多分、「ああ、Corei5(インテル社のCPUです)」といったような「サラッ」とした返事しかかえってこないでしょう。
だからいきなり「マシンのグラボ、なに積んでる?」と聞いてみてください。
そうしたらその人は「?!・・・」と一瞬身構えるはずです。